ブラックバイト。人手不足でもフリーターの待遇は改善しない、むしろ労働条件は厳しい

日本社会は少子高齢化が進んだことによって、慢性的な人手不足に陥っています。
企業は仕事があっても人がいないので思うように利益を出すことができず、
人手不足によって倒産してしまうケースも多く発生しています。

フリーターにとって人手不足はメリットもあるが、捉えようによっては諸刃の剣

人手不足という言葉からは、フリーターにとって好条件のように思われますが
必ずしもそうではありません。
確かに募集時の時給は人余り時代に比べるとかなりアップしている印象がありますが、
基本的な待遇面は殆ど改善しません。

むしろ人手不足により割り振られる仕事のボリュームが増えてしまう懸念があります。
今まで3人で消化していた作業が、2人になれば1人当たりの作業は負担増になり
時給がアップしてもそれ以上に過酷な労働環境となります。

過酷なため辞めてしまう人が出ると、さらに残った人に負担が掛かってしまい
まさに諸刃の剣状態で負のスパイラルに陥ってしまいます。
今まではシフトを自由に設定できていたものが「もっと入れないか?」と言われて、
本当なら入りたくない日まで働くケースも普通にあります。

仕事量が増えたり、自分の時間が取れなくなるというデメリットが多いのに
収入面で劇的にアップすることはそんなにありません。
増えたとしても数万円程度でしかないでしょう。

ブラックバイトという存在が日本の現状を表している

人手不足ということは1人当たりにのしかかる負担が増えることを意味しているので、
「働きたくないのに働かされる」といった現象が起こります。
さらに問題なのは、仕事でミスをしたらペナルティとして報酬を減らすという
ブラックバイトという存在も無視できなくなります。

「ブラックなバイトなら辞めれば良いだけでしょ」と第三者は思うかもしれません。
確かにその通りなのですが、簡単に辞められない状況に追い込まれてしまうのが
ブラックバイトの落とし穴です。

場合によっては正社員と同じような仕事をさせられ、正社員以上に時間的拘束があり
こき使われてもボーナスも出ない、休みは削られる、ミスをしたら怒鳴られる、
まさにパワハラの温床がブラックバイトなのです。

「人手不足は売り手市場なんだから恵まれている」というのは正社員だけの話で、
しかも特定の業種に限ったものです。
フリーターにとって売り手市場などというのは見かけだけのことで、
採用されて仕事を始めると「地獄」と形容するほかないバイトが存在しています。

これは日本の現状を表しているわけですが、表面的な数字だけで景気が良くなった
労働環境は恵まれているというのは不正解の可能性が高いです。

フリーターとしてのメリットである時間の余裕や、責任を負わない仕事の手軽さ
そういったものが人手不足という1つの要因だけで簡単に崩壊してしまいます。
ですからアルバイトに応募する場合は、ブラックバイトかどうかを見極めなければなりません。
長期的に同じバイトを募集していたり「高待遇!」といったような煽り文句を
前面に出した募集は疑ってかかるべきでしょう。

また、ブラックバイトに引っかかってしまった場合は、どんなに理不尽な事を言われても
辞める勇気を持ってください。
訴えるとか脅しをかけてくることもあるようですが、そんなことに負けてはいけません。