若いフリーターの平均月収は同年代正社員よりも平均で5万円近く少ない

若年層フリーターの実情を見るのに一番切実な問題としてあるのが、経済的な収入に関してです。
若年層は社会人全体としてみても、それ以外の世代よりも平均月収は少ない傾向にありますが、
フリーターとなるとさらにその差が顕著なものとなっているようです。
生活していくために必要な収入という観点から、若年層フリーターの実情を見てみましょう。

平均月収は若年層全体よりも平均で5万円近く少ないという現実

若年層社会人全体で平均月収を見てみると、一番多いのが10万円~20万円の間で55%以上です。
逆に若年層フリーターになると割合にばらつきがあり、一番多いのが同じく10万円~20万円ですが
その割合はガクンと減って26%と半分になってしまいます。

平均月収を見ると、若年層社会人全体では約13万5千円なのに対して、フリーターは約8万5千円で
その差は5万円になります。

割合別に若年層フリーターの収入推移を見てみましょう。
3万円未満:17.4%
5万円未満:14.4%
8万円未満:21.7%
10万円未満:17.2%
20万円未満:26.3%
20万円以上:2.9%

では次に若年層社会人全体の収入推移を割合別に見てみましょう。
3万円未満:10.1%
5万円未満:5.5%
8万円未満:7.1%
10万円未満:6.9%
20万円未満:55.3%
20万円以上:15.0%

比較してみると割合の偏りが顕著に違っていることがわかります。
社会人全体では10万円~20万円以上を含めると70%を超えていることがわかります、
つまり社会人として働いていれば、大半の人はそれなりの収入を得ていることになり、
逆にフリーターになると7割以上の人が10万円未満の収入であることがわかります。

収入が少なくても生活できるのは、実家暮らしが多いから

若年層フリーターのうち、およそ86%の人が実家暮らしであるとされています。
つまり収入が社会人全体よりも少なくても、生活そのものに困窮しているわけではなく
むしろ家賃や食費、光熱費を払う必要がないため生活に困ることは殆どないといえます。

逆に収入の大半は自由になるお金だと考えられ、貯蓄に回す余裕すらあると想像できます。
お金に関する悩みがダントツでフリーターに多いのは、現時点の生活においてではなく
将来的な経済的不安を抱えているからだと言えるでしょう。

問題として以下のようなことがポイントになります。
・いつまでも実家暮らしできるわけではない
・収入が増えるとは思えない
・アルバイトで生活し続けるのは難しい
・親がいつまでも健在ではありえない

これらのことを何となく不安に思っているものの、フリーターとしての生活から
脱却できないのは、極端にそのリスクが薄まっているからとも言えます。
不安だけど今すぐ問題が迫っているわけではない、という危機感の無さが一番大きいでしょう。

最近ではネットカフェ難民が増加しているとも言われているため、実家から外に出れば
フリーターを脱却できるとも限りません。
フリーターが置かれている収入面における実情を、どこまで世間や社会が把握しているのか
それをどうやって解決していくのかを真剣に考えなければ、フリーターの数は減少ではなく
増加し続ける一方ではないでしょうか。