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会員3名の方による合格体験記です。受験を予定されている方はモチベーションアップになると思います。

櫻井 伸朗さん

築山 俊昭さん

小林 貴之さん

プロフィール
櫻井 伸朗(さくらい・しんろう) 40歳、かに座のB型。

昭和62年、東京の某私立大学法学部卒業後に独立系ソフトウエア会社に入社し、以来一貫してシステム開発業務に携わる。就職時に「金融系の会社だけには入りたくない!」と思っていたにもかかわらず、参画したプロジェクトはほとんど金融系会社のシステム。現在の役割は主に、提案を含むアプリケーションエンジニア、プロジェクトマネージャ。社内での技術者教育も手がけている。今後は、経営戦略、情報戦略に関わる仕事をしたいと考えている。

平成14年秋のシステムアナリスト試験で、通算6回目の受験にて合格。その他保持している情報処理技術者資格:
 プロジェクトマネージャ
 アプリケーションエンジニア
 テクニカルエンジニア(データベース) 他


 1996年の早春、アプリケーションエンジニアの合格通知を手にした私は考えていた。 「次はやっぱりシステムアナリストだよな。会社の資格手当も高額だし」 当時春に行なわれていたプロジェクトマネージャ試験にも挑戦中だった私は、秋試験の目標をシステムアナリストに定めることにした。そう、当時の私は社内でも有数の情報処理資格コレクターとして、道を切り開く責任(?)を感じていたのだ。その頃の私にとって、システムアナリスト試験とは単純に「増やしたい資格の一つ」程度の認識でしかなかった。

合格体験記                                      私は、SI企業のシステムエンジニアとして現在も主にソフトウエア開発に携わっている。その頃は設計担当SEとして奮闘していたことからして「アプリケーションエンジニア」はまさに自分の世界であるが、システムアナリストに関しては「何それ?」というような世界でもあった。
 新しい資格に挑戦する場合の私の流儀は決まっている。家庭に仕事を持ち込まない主義の私は、なるべく机に向かう勉強は避け、実践的に知識を身につけることを常に考えている。具体的には、
 (1)とにかく一回試験を受けて、何が求められているかを肌で感じる
 (2)電車の中で一冊の参考書を読み通し、試験で感じた不足部分を補う
といったことだ。一発合格を狙う人たちから見れば明らかに邪道だろうが...

 ところが、それまでそれなりにうまく行っていたその流儀が、システムアナリスト試験では通用しなかった。そもそも試験に出る問題が、参考書を見たからといって単純に解けるような問題ではない。「問題文の中から答えを見つける」テクニックを駆使しても、なお補えない部分がそこにはある。当時金融関係のシステムを担当していた私は、午後Iの選択問題に生産管理と流通が出題されたことに「出題にこんな偏りがある試験は不当だ!」と一人憤っていた。井の中の蛙は大海を知らず...

 ある時、ふと考えた。「そもそもシステムアナリストって何なんだろう?」
 改めて、対象者像=役割と業務、期待する技術水準を見直してみた。今まで自分がこんな事意識したことがあっただろうか? はっきり言って一度も無かった。よし、これからはシステムアナリストになったつもりで物事を見てみよう!
 ...と言うほど簡単にできたわけではないが、いつもと同じ開発業務も「これは経営上どのような意義を持った作業なのか?」「システムはどのように位置づけられているのか?」「自分が経営者だったらこの状況をどう判断するか?」「経営の観点からしたらどのような改善の余地があるか?」等々意識することによって、目から鱗が落ちるようにいろいろな物が見えてきた。今まで見えていなかったものばかりだ。そして不思議(当然?)なことに、今まできっかけもつかめなかった午後問題にすんなり入って行けるようになっていた。業種がなんであろうと関係ない、そこに今、何が求められているかだ!
 このことは、別の意味でも自分に変革をもたらせた。今までユーザに最適なシステムを提供できていただろうか?自分ではそのつもりだったが残念ながらそうではない...開発屋としてやっていたこれまでの自分は何て視野が狭かったんだろう。作っていたのは「開発屋のためのシステム」だったのではないか?
 そうして3回目の受験を迎える頃には、午後Tの問題に全く不安を感じなくなっている自分がいた。同時にそれは、自分が技術者としてワンランク階段を上ったことを実感させることでもあった。1999年の春にプロジェクトマネージャ試験に合格できたのも、「アナリストとして」のみならず、様々な観点の視野を広げる必要性を認識し、実践してきたからに他ならない。道は間違っていなかった。例え合格できなくても、挑んだ価値は十二分にあった!

 しかしせっかくここまで来たからには合格したい。受験を繰り返した意地もある。社内の立場が変わって残念ながら資格手当は受領できなくなってしまったが、もうそれは問題ではない。自分が学び取ったこと、身につけたことを形に残したい!
 そうは言っても最後の難関は厳しかった。この期に及んでも机に向かわない自分は、論文も常にぶっつけ本番。アプリケーションエンジニアやプロジェクトマネージャも、そのために受験回数を重ねてしまった。しかし言い訳ではないが、テクニックに頼るのではなくその場で真剣に考えることが、自分の向上に役立つ部分もあると思っている。「愚直」も自分の持ち味の一つだ。現実の世界では、予想できない事態に常にその場で対応していかなければならないのだ。
 4回目、5回目。残念ながら論文テーマにピンと来るものが無かった。メルマガなどを参考に書き方のヒントはつかんできていたが、ぶっつけ本番では書き出しでうまく勢いがつかないとなかなか最後まで書き切れるものではない。問題を見ると同時に構成や展開がビビビッと来るようでないと...
 そして6回目。ついにその時が来た!午前は6年間の積み重ねで全く問題なし、午後Tも問題なし。そして論文、今年は書けそうだ。必死に書いて書いて書きなぐった。ピッタリ「以上」と書き終わったところで試験終了。構成もできたし、文章もそれなりにまとまっている。最近では一番の出来だ。プロマネ合格の時よりも良いかもしれない。過去5回は諦め半分に合格発表を待っていたが、この時は自信があった。というより「これで合格じゃなかったら一生無理ではないか?」という気持ちだった。そして無事合格。時間は人並み以上にかかったかもしれないが、自分の身についたものは計り知れない。

 団体で申し込んでいたので合格通知は会社に届き、受け取りに行くと上司が待っていた。「立場上手当は出せないが、最高峰の試験ということで社長からのお祝いだよ」と熨斗袋を渡された。金一封、これはラッキー!また少し努力が報われた気がした。

 合格してもう一年余りになる。システムアナリスト試験の無い秋は久しぶりだった。といっても、のんびり過ごしていたわけではない。机に向かわない自分にとって「試験」という実践の場こそが、自分の向上心を刺激しつづけるモチベーションでもある。でも、一つだけ昔とは違う。これからは「コレクト」するために資格試験を受けるのではない。「自分がそうありたい立場」「そうなりたい立場」を求め、その視点を磨くために挑戦するのだ。「不惑」と言われる年を迎えてしまったが、まだまだ落ち着いてしまうわけにはいかない。惑い続け、求め続けることが、私の技術者としての生命力を支えているのである。

受験者に一言
システムアナリストに限ったことではありませんが、情報処理技術者試験では「資格取得」だけを目的にしてしまうと取得後に意義を見失ってしまうことがあります。
資格試験ではありますが「免許」と異なり「取ったから何かができるようになるものではないからです。
試験のためだけの勉強をするのではなくシステムアナリストとしての視点を磨くことが、資格取得のプロセスを無駄にせず、その後の自分の成長につなげていくポイントではないかと思います。


私のプロフィール
 私は、製薬会社のユーザ部門一筋に、生産管理や品質管理、営業支援(SFA)などのシステムの開発から運用をしてきました。その間、資格試験には全く興味がなく、資格より実力だと思っていました。しかし、最近になって自分の能力を客観的に評価してくれるものが欲しくなり、いくつかの資格に挑戦することにしました。リストラ対象の年齢になってきたこともありますが、生産から営業に異動しゼロからやり直す環境の中で、少し自信を失いかけていたことも受験の動機でした。
 平成14年から以下の試験に3年計画で挑戦してきました。

 ・上級シスアド (14年秋 合格)
 ・ITC補試験 (14年秋 合格、15年7月ITC認定)
 ・システム監査 (15年春 不合格)
 ・中小企業診断士(15年8月 不合格)
 ・医療情報技師 (15年11月合格)
 ・シスアナ   (15年秋 合格)

 上級シスアドとITC補試験との両方に同時に合格した時は会社の昇進などでは味わえない喜びがありました。また、シスアナ合格は仕事の面でも大きな自信になりました。計画に着手してから2年、成績は4勝2敗、今は不合格になった残り2資格を取るのが目標です。
 「二兎を追うもの一兎をも得ず」といいますが、情報処理試験ではむしろいくつかの区分の受験を計画的に短期目標にして勉強することで、情報処理に関する視野を広げ、感性を磨き、論文試験での対応力をつけることになると思います。

システムアナリスト試験の準備
 私の場合、シスアナ合格の最大の要因は、その前の春試験のシステム監査不合格にあったと思います。平成14年秋試験で上級シスアドに合格し、その勢いだけで翌年の春試験を受けてしまいました。知識は合格レベルだったかもしれませんが、受験に対する姿勢にどこかなめてかかっているところがあったような気がします。午後Uの論文のために、いくつかのテーマの論文を準備して臨みましたが、本場では自分勝手な論理で展開して失敗しました。
 今回のシスアナ試験のための準備は2ヶ月弱と短期間でしたが、午前問題の対策は上級シスアド受験からの知識の蓄積があり午後論文の対策に集中しました。システム監査不合格の原因を自分なりに分析し、その反省にたって勉強したことが良い結果につながったと思います。

私の勉強方法
 恐らく何方も過去問題を中心に勉強されていることと思います。私も過去問題中心の勉強でしたが、その具体的な方法についてご紹介いたします。

●午前問題
 上級シスアド受験の時から継続して知識の整理をしてきました。過去問題の中から重要なキーワードをピックアップし、それに解説をつけたリストを作成しています。解説は、もし自分が問題を作るならここを問うだろうというところを要約し、さらに気になる最新の情報を雑誌やインターネットで調べ追加しています。このリストは、暇なときに何時でも確認できるよう常に持ち歩いています。
 過去問題については、分かっていても何度も繰り返して解くことが大切だと思います。私は通勤の1時間を利用して片道で1年度分を解くようにしていました。その結果、過去の類似問題ならば100%正解でき、本番でも8割は正解できる自信をつけました。

●午後T問題
 午後T問題は色々な分野の事例が出題されます。自分が経験したことのない分野の事例を雑誌などでできるだけ多く読んでおけば、設問の分野を深く知らなくても合格レベルの回答はできると思っています。問われるのは、出題者が期待している回答をいかに見つけ出すかということです。そのため、私は出題者の意図をつかむ訓練を心掛けました。常に問題意識を持つとともに他の人が指摘した問題にもどうしてそれを問題だと考えたのか、問題・課題に対する思考プロセスをしっかりとトレースするようにしてきました。人によって表現方法や思考方法は異なります。ひねくれた考えや回りくどい表現であっても即座に本質を見抜く力を養うことが、試験対策だけでなく情報システム屋として必要な能力だと思っています。
 過去問題は漠然と解答して解答例と比較するのではなく、問題文、設問との関係、思考プロセス、設問で出題者は何を求めているのかしっかりと分析し、さらに出題者の思考プロセスや表現の傾向を自分なりに把握しました。出題者は変わるので、過去問題の分析がそのまま役に立たないかもしれませんが、問題文と設問に対して自分勝手な解答をするのではなく、過去問題の思考プロセスを参考に客観的な視点で答える癖をつけました。問題の内容は、今までの自分の経験からすると非現実的と思えるものもあるでしょうが、現実にあるかどうかが問題ではなく、設問者の意図を把握してそれに適切に応える能力が問われていることを忘れないようにしました。

●午後U問題
 シスアナのスタンスをしっかり理解して高い見識で論文作成ができるようになるため、シスアナの役割やものの考え方を自分なりに整理しました。シスアナは、上級シスアドやITCとも通ずる点が多く、ITCはその役割を依頼先にプレゼンしますが、同様にシスアナとしての役割を経営者の前でプレゼンすることを想定して資料を作り、シスアナとしての認識を自分自身に定着させるようにしました。
 論文テーマは、今までに経験したものを2つ準備しました。本番では、題意に合わせなければならないためそのまま書くことはできません。それをどのように即興でアレンジするかではなく、その材料を基に以下に手順で組み立てなおすことを覚悟していました。
 設問から論文を作成する私なりの手順は、問題文の中からキーワードを抜き出し、出題者がとのような視点でどのような問題意識を持っているかを把握します。そして、その問題意識に対する自分の主張を決め、出題者の視点やキーワードを章項目にして全体の構成を決めます。
 問1はシステムアナリストとしての自分の立場と対象システムについて解説し、最後に出題者の意図に応えた自分の主張を述べます。自分の主張以外の部分は事前に準備した内容でほぼ書けると思います。設問2の展開では、その主張に至ったプロセスを具体的な事実を取り混ぜながら述べていきます。事実がない場合はメーキングしても良いでしょうし、あるべき姿でも良いと思っています。章の数は5つ程度とし、1章に2文節、1文節の前半はその事実の原因や要因について記述、後半は事実の内容と自分の意見を記述します。ただし、設問1での主張に帰結するよう心がけ、「だから私はこう考える」といえるように論点が外れないよう注意します。また、最初に抜き出したキーワードはできるだけどこかで触れるよう配慮します。設問3は、対象システムに対する自分なりの評価をします。成功要因を明確にしてできるだけ客観的な指標を示して記述します。ただし、必ずしも良い評価である必要はなく、悪い評価についてはその原因と対策、今後の課題をまとめるようにします。
 以上の手順をシスアドの過去問題だけでなく、上級シスアドの過去問題についてもやってみて練習しました。

試験当日に注意したこと
●午前問題
 8割の正解を目標にしました。知っていることは確実に解答し、知らないことは常にイに決めて解答することにしました。ただし、明らかにイではありえない場合はウにします。要はあれこれ悩まずに確実に解答することに心がけました。
●午後T問題
 一度受けると分かりますが時間との勝負です。4題から3題を選択するのですが、捨てる問題をひとつ直感で選び3題に集中しました。けっして捨てた問題に未練を残してはいけません。基本的な姿勢としては、どのような分野でも合格レベルの解答ができるという自信持つことだと思います。

●午後U問題
 採点者が読みやすい論文を作成するように心がけました。解答用紙は3ページ目以降そのまま書くと、2ページ目の文字が1ページに写って非常に読みづらくなります。写らないように工夫するのも、内容とは関係ありませんが読みやすくするひとつの配慮だと思います。文章はできるだけ1センテンス100文字以内、200文字で改行するようにし、全体で1600字以上ですが、最後のページまでは必ず書くようにしました。

受験者に一言
 システムアナリストには広い視野でものを考えられる能力が求められます。そのため、自分が経験したあるいは得意とする分野だけでなく、あまり知らない分野からも情報を集め自分なりに理解しておくことが大切です。シスアナ試験に合格するためには受験テクニックも必要ですが、基本的にはどれだけ広い視野を持って情報処理に対する感性を磨くか、このことが結果的には午後論文の対策になると思います。


プロフィール

 小林貴之と申します。
 約20年、ほぼ一貫して開発に携わってきてます。取得資格は、情報処理技術者(システムアナリスト、特種、第一種、第二種)、日商簿記検定(2級、3級)、Oracle8i Master Gold、Oracle Master Silverなど。

(1)はじめに

 ここをお読みの方は恐らくはこれからシステムアナリスト試験を受けるにあたって、何か参考になる情報を得たい、ということだと思います。かなり強引ですが、そういう方を2つのタイプに分けてみます。

 タイプ1 これからシステムアナリストとしての仕事をしたいと思っている。
      システムアナリストとしての経験も知識も不足気味。
      飛躍のために試験に合格したい。

 タイプ2 既にシステムアナリストとしてバリバリ仕事をしている。
      システムアナリストとしての経験も知識も豊富。
      実力を証明するために試験に合格したい。

 私は迷うことなくタイプ1でした。以下の記述もタイプ1の方を対象に書かさ
せていただきます。タイプ2の方にとっては余計なお世話というか、ほとんど参考になることはないと思います。

(2)合格するための要素

 試験は水物、お前が合格したのは単に運が良かっただけじゃないか、何偉そうに書いているんだ、なんておっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。まったくその通りでございます。試験は勉強しなければ合格できませんが、時の運も必要です。偉そうに、こうすれば合格できます、なんてことを書くつもりはありません。とは言いつつ、いかに困難な勉強に立ち向かい、いかに幸運の女神を引き寄せるか、少しでもお役に立てれば、と思ってます。

(3)必要なモチベーション

 だらだらと生活していた私が突然システムアナリスト試験を受けようと思ったのは上司の一言がきっかけです。曰く他の人が持ってないような資格を取れ、とのことでした。この言葉を私は非常に重く受け止め、その時点(平成14年6月初旬)で他の人が持ってなく、近日中に受験でき、私なら合格できるかもしれない試験ということで探した結果、以下の理由でシステムアナリストに決定しました。

 根拠
  8月申し込み締め切り、10月試験で本年に間に合う。
  かつて特種、1種、2種に合格したことがある。
  例えば(財)日本情報処理開発協会のキャリアパスによれば情報処理の各種試験の中ではシステム監査と共に一番上にある。さらにその上に民間資格  ITコーディネータがあるのはなんとも邪魔に感じましたが(笑)。

 さきほど「勉強しなければ合格できません」と書きました。しかし勉強すると
いうのは言うのは容易いですが、実行することが困難なことはみなさまもご承知の通り。会社から家にたどり着くのが11時とすると、入浴などを終えると勉強を始められるのは0時を過ぎてます。眠い&疲れたの厳しい状況の中で勉強を進めるのは極めて困難です。それを克服できるのは、何が何でも試験に合格しようというモチベーションしかありません。私の場合は、上司の重い一言のおかげで、受験勉強期間中、高いモチベーションを持つ続けることができました。勉強できるかどうかは、モチベーション次第と言ってもよいかと思います。
 なお勉強時間帯については寝る前と朝早めに起きた後の2種類があります。どちらがよいかは結局結論が出ませんでした。寝る前にやってみて、ううん駄目だなと思い、朝早く起きてやってみて、ううん駄目だなをずっと繰り返すことになりました。

(4)教材など

 参考書、問題集は恐らくあまりに一般的ですが、以下の2冊を購入しました。

  本1.川村知信編著『2002年版システムアナリスト合格完全対策』
     (経林書房)
  本2.川村知信編著『2002年版システムアナリスト過去問題&対策』
     (経林書房)

 本来ならば本1を熟読&理解したうえで本2に取り掛かるのが正統的だと思います。でも私の場合、そこまでの時間は全然なく、本1はほんとに参考程度で、主に本2を活用しました。なお本1は実際の仕事の場で参考になる場面は多々あるように思います。

 それと少しでも必勝体制に近づけたかったので、困った時の通信教育、ということで通信教育を申し込みました。一般的にはTACが多いようですけど、私は検索エンジンで最初にひっかかったITECにしました。既に4月に開講されてましたので、通常より2ヶ月短い期間のスケジュール表を見た時はくらくらしました。通信教育の是非についてはあとで述べます。

(5)午前の対策

 午前の問題はいうまでもなくIT関連の選択式です。自分で言うのもなんです
が、ここは私は得意としてまして、私が勉強したのは過去3年の問題と通信教育の課題だけでした。通信教育の課題ではほぼ満点でした。
 時間があれば、3年前以前の問題、他の試験種類の問題などにあたり、さらには参考書(通信教育の教材)なども勉強した方がよいとは思います。なお他の試験種類とは必ずしも試験範囲が同じではないので、余計な勉強をしないよう注意する必要があります。

(6)午後1の対策

 実はこれが一番難問かなと私は思ってます。何が難問かと言えば、勉強より運の要素が強いということ。そもそも勉強といっても過去問をやってみるくらいしか手はなく、かといってそれをやったからといって、今後受ける試験のためにどの程度役に立つのか甚だ疑問だからです。長い長い試験問題を読んで、現実の問題に即した解答を決められた字数で書き上げるなんてことは、運がよくなければできません。問題集の解説によっては、中小企業診断士で似たような問題が出るからそれを参考にすること、みたいなことが書かれてたりしますが、それは結局は勉強のしようがない、に等しいように感じます。
 そんな中、若干役に立ったかもしれないのがITECの午後1対策の教材、ア
イテック情報技術教育研究所編著『2002システムアナリスト「専門知識+記
述式問題」重点対策』(アイテック)です。過去問がたくさん載っていて、それ
ぞれについて結構論理的な筋道で回答を導き出していました。

(7)午後2の対策

 経験が不足しているタイプ1の方にとっては、これもやっかいです。何しろ書く題材がないのですから。とは言っても「経験がありません。」では間違いなく不合格なので、次善の手を考えます。

 まずは小論文という形式について。普段から3000字程度の論文を頻繁に書いている方なら問題ないのですが(そんな人がいるのかどうかはわかりませんけど。)、そうではない一般の人にとっては、まず論文を書くということが大きな壁として立ちはだかります。いったい何を書いたらよいのか。どういう展開で書いたらよいのか。なにをどのくらいの長さで書いたらよいのか。実はこれについては明確な解答があります。過去問題集に模範解答が載ってます。そのうちの一つをそっくりそのまま覚えてしまうのです。数千字の論文の丸暗記ですから、これは結構大変です。しかし覚えた瞬間から、そしてそれを例えば電車の中で繰り返し繰り返し暗唱することであなたは小論文のエキスパート。どういう論理をどのような長さで展開するのか、がもうばっちり身についたといえます。
 問題集には複数の模範論文が載ってます。どれを選ぶべきかは、自分が担当している仕事、経験に一番近いのを選ぶというのが合理的です。でもこれというのがない場合は、一番短いのを選ぶのがよいでしょう。当然ながら短い方が覚えるのが楽です。
 なおこの論文修得テクニックはシステムアナリストだけでなく、他の高度情報処理技術者試験でも有用かと思います。私はこの方法でかつて特種情報処理技術者試験を突破しました。

 書き方のエキスパートになったところで、次は何を書くか、です。問題では経験に即して書くように求められていますが、経験がないとなると……実例を知識として取得した上でそれを経験にするしかありません。格好の例としては、これまた過去問題の模範解答、あるいは日系コンピュータなどの雑誌が挙げられます。
流石にこれらを全部覚えるのは無理なので、熟読するに留まりますが、一体システムアナリストはどのような問題に直面するのか、それをいかにして解決したか、といったあたりを頭にいれつつ読んでいると、知識が経験として生かせるようになると思います。

 なお通信教育では論文の添削を行ってくれます。自分が書いたものがいかほどのものなかは自分ではなかなか客観的にははんだんできません。そういった意味では第三者に添削してもらうというのはとても有意義だとは思います。但し、例えばITECの論文用教材には赤ペンで添削した論文サンプルが載ってます。これを見るとなるほど、こういう指摘を貰えたら嬉しいなぁと思います。ところが実際に私が書き、それに添削されたものと言えば数箇所赤線が引いてあって、コメントが一言二言だけ。まるで学生アルバイトのようにも思えるものでした。果たしてこれで役に立つかどうか。あっ、別にITECさんに恨みがあるわけじゃないのですけど。

(8)通信教育の長所・短所

 午後1、午後2については前述の通りです。短所は言うまでもなく、お金がかかること。給付を受けても数万円はかかります。長所はスケジュールに従ってお尻を叩いてくれること。しかし最大の長所は他の受験生の存在を意識させてくれることかと思います。受験勉強は孤独な作業です。システムアナリストを受験する人が周りにもいる、なんて方はほとんどいないことでしょう。それでついつい勉強もさぼりがちになる。ところがいざ試験会場に行ってみると受験生がたくさん……なんてことになります。通信教育では送った課題に対して採点と同時に全受講生の中での順位なんてことも教えてくれます。順位はともかく(私の場合でいえば)他に受講生が70人ほどいることがわかったことが励みになりました。

受験者に一言

 長々と書いてまいりましたが、結局のところは勉強と運のみ。どうぞ、頑張ってください。合格された暁には是非日本システムアナリスト協会正会員に。



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