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日本システムアナリスト協会会員と有志による

システムアナリスト
平成16年度秋期 情報処理技術者試験解答例

午 前 解答例
午後1 解答例
午後2 解答例



午前 解答例

問1 問11 問21 問31 問41
問2 問12 問22 問32 問42
問3 問13 問23 問33 問43
問4 問14 問24 問34 問44
問5 問15 問25 問35 問45
問6 問16 問26 問36 問46
問7 問17 問27 問37 問47
問8 問18 問28 問38 問48
問9 問19 問29 問39 問49
問10 問20 問30 問40 問50

午前はシステムアナリスト、アプリケーションエンジニア、プロジェクトマネージャ共通問題です


午後1 解答例

問1(櫻:櫻井 山:山口)
設問1 仕入販売事業:安定した売上高、利益を社内に確保できる。
加工食品事業:事業間で発生する取引に対するインセンティブや各事業への予実績反映方法。
仕入販売事業:加工食品事業への販売による売上の拡大。
加工食品事業:流通していない高品質の原材料の調達
設問2 (1)短いライフサイクルによる需要変動に対応し生産計画や在庫を改善するため。
(2)情報連携を強化し顧客から受注する数量や納期の変動に迅速に対応するため。
(1)単価・利益率の高い一方で、ライフサイクルが短く需要変動が大きいため。
(2)受注数量・納期変動に柔軟に対応し、顧客との関係を回復するため。
設問3 事業間で発生する取引に対するインセンティブや各事業への予実績反映方法。
標準原価の決定と、利益管理の仕組みを構築する。
問2 (櫻:櫻井 山:山口)
設問1 (1)短いライフサイクルによる需要変動に対応し生産計画や在庫を改善するため。
(2)情報連携を強化し顧客から受注する数量や納期の変動に迅速に対応するため。
(1)単価・利益率の高い一方で、ライフサイクルが短く需要変動が大きいため。
(2)受注数量・納期変動に柔軟に対応し、顧客との関係を回復するため。
設問2 @使用見通しの変動を細かに把握するため中小顧客にも配慮する。
A在庫確保用の数量を加えなくて良いように作成頻度を高める。
@多目の製品在庫確保を止め、使用見通しに応じた販売計画とする。
A中小顧客を後回しにする場合は、販売会社の承認を得た後とする。
設問3 @顧客希望納期と実現可能な納期の差異を把握し、生産部門と直接協議する。
A中小顧客との交渉回数を増やし、使用見通しの変動をこまめに把握する。
@納期達成率のフォローを行い、低い顧客に対しては生産部門に改善を依頼する。
A顧客からの使用見通しを入手するサイクルを短くし、生産計画に反映させる。
問3 (櫻:櫻井)
設問1 (1)故障状態が長引いたとき不信感を与えるものは、店舗スタッフが対応する。
(2)@冷凍・冷蔵ショーケースの霜取りを適切なタイミングで専門業者に依頼する。
A空調設備の電力消費量を分析し、店舗内の室温設定を適切に調整する。
設問2 故障した設備の修理において、設備寿命を適切に判定することで故障回数を削減できる。
設問3 @定期点検や遠隔監視による部品交換を除いた故障間隔。
A設備故障を連絡してから回復するまでの修理時間。
問4 (櫻:櫻井 山:山口)
設問1 @一回あたりの旅行金額
A旅行の回数の合計
B生年月日や結婚記念日
@累積の利用金額
A利用回数
B直近の利用時期
設問2 @顧客の予算や日程に応じて、魅力的な観光地や季節ごとの特色、宿泊施設を提示する。
Aカスタマイズした旅行日程の作成や旅行代金の増減の計算を即座に実施して表示する。
@地域毎の魅力的な観光地や季節毎の特色を、その場で検索可能な機能。
A調整後の旅行日程や旅行代金の増減を、その場で計算可能な機能。
設問3 @生年月日から、60歳や卒業などの区切りの時期を迎える顧客を抽出する。
A旅行歴や好みの情報から、イベントを組み入れた旅行を好む顧客を抽出する。
@生年月日より、近い内に銀婚式や卒業記念など区切りを迎える顧客。
A旅行暦より、特別な企画を好む顧客。

午後2 解答例
問1(加藤)
1 システムの概要と業績評価指標
1.1 システムの概要と目的  
(1)システムの概要
 私が企画に参画したシステムは、クリック型広告とバナー広告を主たる収入源とするWebポータルサイトの評価システムである。私は経営企画部の情報システム企画室長として業績評価システムの構築を企画する立場にあった。
 本システムのインフラストラクチャはTCP/IPベースのイントラネットである。ユーザインタフェースは標準的なブラウザソフトを利用して経営者に業績評価指標を提供する。基幹システムとはデータベース連携の仕組みを利用している。  
(2)経営環境とシステムの目的
ポータルサイト業界は企業間の競争が激化している。このため、経営者が経営判断を的確にかつ迅速に行う必要がある。また、IT技術は日進月歩であるがゆえにそれに伴う情報戦略を迅速に立案する必要がある。
1.2 業績評価指標
業績が企業の営業利益や株価の向上に寄与する必要がある。そこで、IT投資が適切か、競争優位性を確保しているか、財務的収益性、生産性にコンテンツは寄与しているかの判断が求められる。このため、業績評価は@財務システムからは売上高、部門別・顧客別売上高対営業利益、IT投資DCF(Discount Cash Flow)情報、資産情報AWebシステムからはコンテンツ別アクセス数、顧客動線、B営業システムからは新規広告の受注獲得数、既存広告掲載数、顧客クレーム数、広告掲載維持率で行う。
1.3 データ収集・加工・提供の仕組み
 財務情報と営業システムからの情報は、基幹データベースと社内WWWサーバとのデータベース連携で実現している。  アクセスログ情報は、基本情報はWeb上のCGIから基本情報を採取。アクセスログの特殊な分析は分析用のアプリケーションを開発して提供する。

2 システム立案の配慮と工夫
2.1 システム立案時に配慮したこと
2.1.1 業績評価指標の使用目的と用途の理解
 業績評価指標評価システムの企画構築にあたり、私は経営者及び情報システム部長とミーティングを行い、使用目的と用途について次のような方針を決定した。
(1)提供情報の格付けの仕組みの実現:重大な顧客クレームなどを迅速に経営判断に活かすため、優先順位付けだけでなく保留案件などの格付けを行うこと。
(2)自社の株価とWebサイトの実情と相関分析:Webサイトに発生している状況をリアルタイムに把握しつつ自社株価との関連性を認識できるように、可能な限り一次分析可能なWebサイトの評価指標はリアルタイムに表示すること。
(3)基幹システムとの連携方針:基幹システムとのデータベース連携している評価指標は、予測データをいったん仮入力し、その後、逐次修正する。このことで迅速な意思決定に必要な情報を経営者に提供すること。
2.1.2 データ特性とタイミングへの配慮
 (1)データ集計タイミング
 アクセスログに基づくリアルタイムなクリック型広告の有効性解析指標はシステムの負荷を考慮して週次の提供とする。しかし、コンテンツ別の単純な指標はリアルタイム提供とする。基幹システムとのデータベース連携財務情報は週次収集、営業情報は営業日報にあわせて日次の集計とする。また、クレーム情報は優先度ごとに割り振って日次提供とする。
 (2)データ特性の配慮
 例えば、クリック型広告効果解析はデータ数が膨大なものになること、及びトランザクションデータの負荷が大きいので解析に使用しないデータを間引くフィルタリングが必要となる。また、標準化された外部解析機能提供システムとの連携に配慮する必要がある。このため、外部解析提供システムの通信仕様を十分反映する必要がある。

2.2 システム企画の工夫
2.2.1 財務データの早期入手の仕組みについて  財務データは経営者のIT投資に関する意思決定や、企業買収や業務連携等の意思決定に役立てるため、可能な限り迅速な提供が求められる。このため、暫定的情報を含めて経営者への情報提供を検討した。  例えば、週間売上高、営業利益率などに関する情報については、短期計画に基づいた短期観測データを一端、財務予算データベースから予測データを収集しておき、年初に作成した予算データと比較できるようにする。その後、観測データを順次、短期観測データを実際データに置き換えて正確な情報に修正してゆくことにした。 2.2.2 データ加工を円滑に行うための工夫
 (1)概要データはCGIでリアルタイムに表示  当社の重要資産であるWebコンテンツ別のアクセス数等の単純情報はサイト上に仕掛けたCGIによってリアルタイムにブラウザ表示できるようにした。
 (2)二次データベースの利用 クリック率や、クリックした企業情報の統計分析は、一端、作業データベースに移し、不要不急なログ情報を削除して、解析に必要な情報を残し、解析に供する。また、そのデータを利用して標準的な外部解析提供システムによって解析したデータは第二次データベースとして蓄積するようにした。
 (3)経営者がしやすいインターフェース  経営者にITについて特に専門的な知識がなくても即座にビジュアルなデータが表示できるようにするため、次のような仕組みを提供した。
 1.視覚的インターフェース提供のためのCGIシステム
 2.必要十分な情報の提供に基づく、解析画面 
 3.HTMLブラウザからのワンクリックでドリルダウン可能なデータマイニングシステムの提供   

3 評価と改善
3.1 評価
3.1.1 リアルタイムな意思決定への貢献
 必要十分の原則に基づく、情報の提供によって、経営者は自社の重要資産であるポータルサイトのヒット数の増減、それに基づく有効コンテンツの評価、クリック型広告の有効性評価などをリアルタイムで評価できるようになった。  また、自社IT資産や経営状況の現状が日次、週次、月次と段階的に選択検索できるため、投資機会の適切化が図れ、経営会議で有効なシステムであるとの評価が得られた。また、他の取締役への利用拡大が取締役会で決議された。
3.1.2 株価への貢献
 上記の結果において、売上高は昨年度対比で25%アップ、営業利益も50%アップした。また、ポータルサイトに対するクレーム数は33%減少した。この結果、ポータルサイトの評価が高まり株価は昨年度よりも50%上昇し企業評価向上と含み資産向上に貢献した。
3.2 改善
 競争環境は動的に変化するので、評価システムの経営環境の変化に応じて機能の過不足が発生により機能の追加削除が必要になる。このため、システムの有効性を監査して、マネジメントレビューの後、定期的に見直してゆくべきである。 以上

(以上 「システムアナリスト養成講座」より引用)
問3(山口)
1.業務プロセス改革の背景と概要
1.1.A社のビジネス状況
 A社は電気用部品を製造するメーカであり、国内に3ヶ所の工場を有している。A社では見込み生産方式を採用しており、1ヶ月間分の製品在庫と、3ヶ月分の仕掛在庫を持っている。これは、製造原価ベースで、営業利益の2年分に相当するものであり、キャッシュフローの悪化、不良在庫となった場合のリスク等、経営に与える影響は大きい。従って、A社では在庫削減を経営課題として捉え、これに取り組む事となった。

1.2.業務改革の概要
 見込み生産量については、月に一度の生産計画会議にて、営業より提示される受注見通しや市場動向に基づき、生産部門と協議の上、決定されていた。しかし、いずれの部門においても「需要変動への対応」を名目に、実際の能力よりも多目の数字を設定していた。従って、以下の通り、部門間にまたがる業務プロセスの改革に取り組む事となった。
a.月次単位の生産計画を週単位に変更する。
b.見込み生産については、見込み注文を入力する。
c.顧客の状況、生産在庫情報の共有化を図る。
 システムインテグレータであるN社は、長年A社情報システムのアウトソーシングを請け負っており、私はシステムアナリストとして、参画が要請された。

2.部門間にまたがる業務プロセスの改革における工夫
2.1.問題点の本質と対策のポイント
 生産計画を週単位に見直す事で、需要変動への柔軟な対応が可能になる事は既に述べた。しかし私は、営業部門が多目の数字を提示する事については、他の要因があると推測し、担当者へのヒヤリングを行った。
 その結果、提示する数字は常に予算との比較が行われ、ギリギリまで予算を割り込む数字は提示できないとの事であった。更に、数字をフォローされるのみで、具体的なアクションプランへの落とし込みも充分で無い。
 私は、営業取締役に、アクションプランへの落とし込みと、アクションプランでのフォローを提案した。

2.2.情報技術の最適な利用
 生産計画業務を月次から週次で見直す事については、生産部門より対応不可であるとのクレームがついた。具体的には、現状でも3名の担当者が徹夜を含む2日間専任体制となっており、これを週で実行する事が現実てきでは無い。
 これについては、生産計画パッケージの導入を提案した。特に、多くのパッケージはMRPをベースとするものであるが、A社のようにプロセス産業向けのものを提案した。

 一方、見込み注文を入力する事により、全ての在庫は着工前に注文と紐付けられる事となる。これにより、不良在庫については、営業・生産の見込み誤りであるか、顧客都合によるキャンセルであるか、等の分析が可能となる。しかし、私は見込みの精度を上げるためには、注文情報という形で数値化できない情報についても共有が必要であると考えた。例えば、顧客の状況・競合他社の情報などである。これについては、電子掲示板の導入を提案した。

2.3.業務プロセス改革のねらいやリスクの共有
 前述の通り、営業部門へのフォローは、数値だけでなく、アクションプランでのフォローを提案した。これは、未達が早期に検知が可能であり、実行予算の見直し・他顧客でのリカバリ等、代替案の検討が早期に可能と評価された。しかし私は、営業担当の甘えから、モラルダウンとなるリスクもあると考えた。
 一方、在庫を削減した場合には、納期遅延をおこすリスクもあると考えた。そこで、以下について、トップマネジメントの了承を得て、業務改革に取り組んだ。
a.営業部門へのフォローは、数値だけで無くアクションプランで実施する。
b.在庫削減効果については、3ヶ月間は追求しないので、その間に週次での生産計画を定着させる事。

3.業務プロセス改革の評価
 前述の通り業務改革に取り組んだところ、営業担当については、数値だけでなくアクションプランでのフォローを実施するという事から、モラルダウンにはならず、全員が予算を達成している。これは、私の提案が功を奏していると判断する。
 一方、納期達成率については2ポイントの悪化となっている。これは、20%のところが予定外に30%まで在庫削減が進んだ事によるものであり、やむを得ない事ではあるが、在庫削減と納期達成率のバランスを取りながら業務改革を進める必要があったと反省している。







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