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日本システムアナリスト協会会員による

システムアナリスト
平成13年度秋期 情報処理技術者試験解答例

午 前
午後1
午後2


午 前
問1 問11 問21 問31 問41
問2 問12 問22 問32 問42
問3 問13 問23 問33 問43
問4 問14 問24 問34 問44
問5 問15 問25 問35 問45
問6 問16 問26 問36 問46
問7 問17 問27 問37 問47
問8 問18 問28 問38 問48
問9 問19 問29 問39 問49
問10 問20 問30 問40 問50


午後1
問1(N:野田 T:TAC U:ユニシス&ユニアデックス)
設問 解答者 小問 答案例
設問1 N @ 患者の重複検査の排除と待ち時間の短縮
A 部門間データ連携の適正化および迅速化
T @ 患者の医療サービスに対する満足度向上
A 事務合理化による病院経営の効率向上
U @ 患者に対する医療サービスの向上
A 事務処理の効率向上
設問2 N @ 患者データなどすべてのデータの電子化
A 情報共有し一元管理する統合データ管理
B 部門間情報の収集・配信・連携インフラ
C 院内事務プロセス全般のワークフロー管理
T @ 患者の基本情報の入力と管理の一元化
A カルテや検査記録の電子化と情報の共有
B 医療用具・薬剤の消費情報と在庫の管理
C 検査や処方など他部門への依頼の電子化
U @ カルテ・検査依頼・結果等書類の電子化
A 患者基本情報のデータベース一元化
B 薬剤・医療用具等の在庫・出庫管理
C 既存検査機器との接続性
設問3 N @ 改装時期と歩調を合わせ、現在利用している機器の見直しも含めて検討してもらう
A 全体最適化の観点から、一部で現在のサービスレベルから低下することを承認要請する
B 再構築のコストや期間の制約から、優先されないデータ電子化は後続ステップで導入する
T @ ソフトウェアパッケージの導入を前提に,各部門の業務フローの見直しを行うこと
A 所属する部門の部分最適ではなく,病院全体の効率向上の視点を優先すること
B 改装に合わせた限られた期間で再構築できるよう,要求の優先順位を明確にすること
U @ 検査機器との接続を技術的に解決する方策および代替機器を検討する
A 不足機能を洗い出し、影響度をチェックし、運用による代替案を検討する
B ソフトウェアパッケージを採用する前提を再度説明し、追加機能要件を検討する
問2(H:橋口 N:野田 T:TAC U:ユニシス&ユニアデックス)
設問 解答者 小問 答案例
設問1 H @ 見積用ソフトを全社的に統一し、社内標準単価データを必ず用いる
A 最新情報を反映した社内標準単価データをタイムリに更新配布する
N @ 類似工事情報と外部データの組み合わせで標準単価を算出する
A 見積り用ソフトウェアパッケージを標準版で統一し一元管理する
T @ 本社と工事事務所で同じ見積用ソフトウェアパッケージを使う
A 必要な単価情報を一元管理し,本社も工事事務所もその単価を使う
U @ 見積書、実行予算書作成パッケージを統一する
A 購買部の社内標準単価データの管理を確立する
設問2 H @ 過去の設計図や見積書をDB化し、編集可能とする
A ディジタルカメラや携帯端末にも対応したネットワーク
B 提携文書のひな型・過去例などを編集する文書作成支援
N @ 書類作成業務にデジタル技術を導入しシステム化する
A 現場連絡業務に携帯電話などモバイル機器を配備する
B 資材選択と業者選定業務を共同化して一元管理する
T @ 資材・現場作業用委託発注データを端末にて本社へ送付
A 工事記録報告書作成に写真機能つき携帯端末導入
B 工事進捗管理資料作成にプロジェクト管理ソフト活用
U @ 工事記録報告書にディジタルカメラや携帯端末の活用
A 工事進捗管理資料のデータベース化を推進する
B 統計資料をデータベースから自動的に作成する
設問3 H @ 同じ資材を全社一括で購入して価格を下げる
A 発注・資材データを全社的に整理・公開する
B 情報収集を密にして最新価格情報を把握する
N @ 一般資材発注業務委託を集中管理する
A 一括発注による値引き交渉を適正に進める
B 新製品情報を一元管理し共有活用を進める
T @ 最新情報による社内標準単価データの更新
A 一般資材発注窓口の購買部への集中
B 現場作業委託窓口の購買部への集中
U @ 共通資材は購買部にて一括発注する
A 同じ業者への依託は購買部にて一括発注する
B 工事事務所からの委託業者を選別する
問3(H:橋口 N:野田 T:TAC U:ユニシス&ユニアデックス)
設問 解答者 小問 答案例
設問1 H A社@ 受注管理システム : 予定データ
A社A 出荷システム : 確定データ
B社 資材在庫システム : 発注データ
N A社@ 受注管理システム : 注文変更データ
A社A 出荷システム : 注文確定データ
B社 資材在庫システム : 注文変更データ
T A社@ 受注管理システム : 受注予定データ
A社A 出荷システム : 受注確定データ
B社 資材在庫システム : 発注データ
U A社@ 受注管理システム : 予定データ
A社A 出荷システム : 確定データ
B社 資材在庫システム : 発注データ
設問2 H 生産計画立案をシステム化し、小ロット生産主軸の生産体制として安全在庫基準値を最小化する
N 生産計画立案サイクルを月1回から週1回へと短縮することで、安全在庫基準を1週間分とする
T 受注情報の変更に合わせた生産計画により、B社への週1回の配送単位で生産量を算出する
U 生産計画立案を新システムを利用して毎日行い、安全在庫基準を下げて、効率的な生産を行う
設問3 H @ 前日の生産計画に基づいた部品、つまり1日分の安全在庫を持つ事
A 予定データと確定データから割り出される部品で翌々日の混乱を回避する
N @ 注文変更の影響範囲を小さくするため、過去実績からロットの大きな部品
A 生産計画全体に影響を大きく与えやすい製造ライン上のボトルネック部品
T @ 注文予定数量が多く、納期が迫っている部品
A 安全在庫基準に対して在庫が少なく,リードタイムの長い部品
U @ 急激な増産に対応せざるを得ない場合のあるB社の新製品に利用される部品
A 在庫量が安全在庫基準を下回る部品、およびそれに近い状態の部品
問4(H:橋口 N:野田 T:TAC U:ユニシス&ユニアデックス)
設問 解答者 小問 答案例
設問1 H -1 顧客の購買履歴を分析し、特定の種類の書籍を続けて、あるいは多く購入している顧客
-2 その顧客が継続的に購入している書籍の種類、分野、著者を分析して割り出す
N -1 購買金額と購買頻度の高い優良顧客を選別し最近の購買傾向から顧客セグメントを分ける
-2 セグメント分けした顧客領域毎にいつどんな案内をすれば購買確率が高いかを推測する
T -1 顧客の購入履歴を書籍の種類別に分析し,購入書籍の多い優良顧客を特定する
-2 購入履歴と顧客属性から,書籍の種類と顧客ニーズの関連性を分析する
U -1 登録顧客の購買頻度の高さを優先し、年齢・職業・支払状況なども考慮して特定する
-2 過去の購買履歴(頻度、題名等)と年齢・性別・職業・趣味で顧客の関心分野を分析する
設問2 H @ eコマースビジネスを順調に立ち上げており、その業務プロセスやCSFが信頼できると判断した
A システム提供サービスについて多くの実績があり、システムの運営、管理、保守に関して信頼できる
N @ 海外数カ国で書籍のEC分野で稼働実績があり、同分野の開発・運用ノウハウの蓄積が見込まれる
A ビジネス規模を拡大している成長企業であり、システム提供サービス実績もあり、信頼できる
T @ 書籍のeコマースについて順調に立ち上げて規模を拡大している実績がある
A システム提供サービスについても,すでに実績とノウハウを保有している
U @ X社のシステム提供サービスは、海外数カ国で書籍や情報メディアのe故マースで稼動実績がある
A X社が開発している為、システムの導入や追加機能のシステム開発のノウハウを持っている
設問3 H @ 開発費用の分担を含めた費用対効果の分析
A 他社とのシステム連携に関する問題の分析
N @ 他社システム連携で予想されるリスク評価
A X社システムの日本市場での適応性の評価
T @ W社の戦略とシステム要件のX社への説明
A 日本語対応などの課題に対するシステム評価
U @ 関係各社が円滑に業務確信できるように推進
A 設計が日本市場内のW社戦略に沿うように支援


午後2
問1 情報戦略の策定について(橋口 再現率85%)
システムの概要アンケート
・建設業、人材派遣事業部門を含む
・従業員301〜500?
・オフコン1、WS3、PC250
・対象部門、経営・企画、営業・販売、生産、
・端末数300
・具体的3項目(費用・期間など)は空白
答案
中堅建設会社の情報戦略の策定について

ア−1.S社の事業と経営戦略
 S社は、従業員350名、売上高80億円の中堅建設会社である。重化学プラントの建設工事の請負を事業の中心として来たが、プラント業界は構造的不況が続いており、ビルやマンションのリフォームやリニューアルを中心とした一般建築分野にシフトしている。最近、建設関係の人材派遣事業やアウトソーシング事業の会社を買収した。
 S社の経営戦略は、建設事業では、一般建設分野への全面的シフトである。また、安定した収益が期待できる人材派遣事業も強化したい。
 ビルやマンションの工事は、居住者の都合から、春や秋に集中する傾向がある。S社の建設事業部の売上高60億円の6割も9〜12月に集中していた。すなわちそれ以外の時期は社員が遊休化することを意味する。人材派遣事業の業務フローのベースは日次であり、月次決算書を待つ今の会計処理では間に合わない。
 S社の経営課題は、業務スピードの向上である。建設分野においては、最新の工事情報や営業情報を反映させて、年間を通じて工事案件を平準化し、経営資源の配分を最適化することである。また、経営判断、意志決定を迅速に行い、資金計画などに反映して、特に工事集中期のリスクに対処することである。人材派遣分野においては、日次の業務処理が求められていた。
 わたしは、S社より、建設事業部の情報戦略と情報システム全体計画の策定と立案について依頼を受けた。

イ−1.情報戦略の策定
 わたしは、S社の経営戦略を実現するために、次のような情報戦略を策定した。
 @建設事業部員の情報リテラシ度を活用・進展する情報基盤となるミドルウェアを導入する。
 A経理システムの情報を、整理してDB化し、データディクショナリを含めて公開する。
 B管理部、経理部電算室を統合・改組して、情報センタ部を新設する。
 S社の建設事業部員は全員がエンジニアで、1人1台のPCが配布されて3年が経過しており、情報リテラシ度は高かった。工事状況や日報などの工事情報も電子化されており、これを報告書作成に利用するなどEUCが始まっていた。ただし、建設事業部内で収集できる工事情報だけでは、有効な情報となるには不足である。勘定系の経理伝票データと連結してはじめて、有意な情報となる。
 S社には、自社開発した経理システムがあったが、十数年を経て、開発者が退社しドキュメントも散逸していた。運用・保守にわたる経理部電算室も、適切な保守ができず、その場しのぎの対応に終わっていた。実際にDB構成やフィールドのデータ型などをみると、正規化がくずれていたりして、システム外への提供にはたえられないものが多かった。
 工事情報と経理情報を連結させる事により、全社的に有効で有意な情報となる。事業部の稼働率や負荷を予算と比較した予実情報として営業部にわたせば、見積価格などを機動的に運用した営業活動を行える。つまり、工事集中期と閑期で価格差を設けることにより、案件を閑期に誘導し、平準化を図るのである。工事の進捗に応じた入金・支払予定もタイムリにつかむことが可能となり、これを経営判断にいかせば、最適な資金計画ができる。
 情報・データの入力は、工事や営業などの業務部門の一般部員が現場で行なうことになるので、経理システムの端末では対応できない。モバイル環境に対応できるシステム基盤が、将来を見据えると、必要である。
 わたしは、ユーザフレンドリで機動的な運用ができるWWWアプリを用いたミドルウェアを導入する事で、工事情報と経理情報を連携できる情報化、EUCが推進できると判断した。情報の新鮮度は、報告、伝票発行や入力を発生時点で行なうような業務改善で維持できる。

イ−2.管理部と電算室の改組の必要性
 ミドルウェアを活用しEUCを推進するには、経理情報・データを開放せねばならない。また、データの場所、型や各TABLEの関係などのDB構成、いわゆるデータディクショナリも合わせて公開する必要がある。ユーザが利用しやすいように整理・半加工しておくことも重要である。これを行なうのは、経理システムの運用・保守に携わる電算室である。
 しかし、経理部直下である電算室員には、情報システムに携わっているという自覚は少なかった。例えば、受注報告書などの工事情報も、決算帳票に必要なデータだけ入力されていた。全社的な経営資源、リソースの一部であるという認識はなかった。端末エミュレータもGUI可能なものにバージョンアップされてはいたが、端末は経理ホストへの入力機という意識で、部店長などの建設事業部員が帳票を閲覧したいというニーズを理解することができず、単に入力画面をいじるだけに終わっていた。
 更に、経理部員としてみても、翌月7〜10日を経ないと決算帳票が出力されないという現状に疑いをもっていなかった。精度を得るためにはある程度の期間が必要だという認識である。当然、決算処理前の生データを開放する事には批判的であった。
 決算帳票や工事報告などから最新の資金需要をつかみ、資金計画などの経営情報を作成するのは、管理部である。支払利息を最小化するなど効率的な資金計画には、最新の情報が欠かせない。しかし、管理部では、単に過去の実績や着工時の予算などと比較しただけの経営情報の作成であった。予実情報は、決算帳票をもとにしていた。最新の情報をタイムリに反映した分析や予想が行なわれてなかった。
 わたしは、現状の組織のまま情報化を行なっても、経営戦略の実現、業務スピードの向上は達成できないと判断した。管理部と電算室とを統合・改組して情報センタ部を新設するように情報戦略にもりこんだ。また、統合・改組にあたっては、慎重に行うように進言した。

イ−3.統合・改組上の工夫
 わたしは、統合・改組にあたっては、その効果が発揮できるように、次のような工夫を行った。
 @組織のあるべき姿と業務プロセスを明確にする。
 A必要な知識、習得すべきスキルの基準を明らかにしこれを開示する。
 B知識・スキルを習得する機会を与える。
わたしは、必要な知識・スキルが習得できる研修・講習会なども提示した。
 現行の電算室員、管理部員の業務が新設される情報センタ部では、どのようになるのかをはっきり認識されるような仕組みを作りこんだ。

ウ.評価
 わたしは、経営戦略を達成する情報戦略に電算室と管理部を統合・改組して情報センタ部とすることをもりこんだ。業務の目的・範囲・プロセスを明確にしたために、ねらいどおりの効果を発揮できると判断している。
 経営トップは、日常の意志決定をするための情報については、最新のものが得られるならばある程度の誤差は許容する。正確で精度のある決算帳票を待っていては、重大なリスクの直面する場合もある。
 情報は、ユーザ層や業務の内容によって、提供の仕方、加工・整理の仕方、情報量などを按配するべきである。意志決定や業務判断に必要で十分な情報が提供されるべきであり、それ以上もそれ以下でもない。状況によって、正確なあるいは詳細な情報が得られる手段が用意されていればいいのである。 業務スピード向上のために、何が必要で何が必要でないかはユーザや業務の内容によって判定すべきであると認識している。


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